出版をしただけでは意味がない

出版のメリットのページでも書きましたが、出版をすることで得られるメリットはたくさんあります。
しかし、それらは出版したら誰もが享受できる訳ではありません。

自分が享受したいメリットがあるのであれば、そのメリットを享受することを目的として、その目的が達成できる企画で出版する必要があります。

例えば、本を出版すると、公人に近い存在として扱われます。
そのため、あなたの発言に対する信憑性は増すのですが、それはあくまでも本を出版している人として信用されているに過ぎません。

いくら信用を獲得してもビジネスは加速しないのです。

では、ビジネスを加速するためにはどうすればいいかというと、獲得しなければならないのは信用ではなく信頼となります。信頼を獲得するためには、その人が今後を見据えて行動するときに頼りになりそうだと認識してもらわなければなりません。

逆に言えば、そういう企画を考えて出版しなければ、出版したところで、なかなかビジネスは加速しないということです。

出版することを目的にはしない

では、信頼を獲得できる企画で出版できたとしたら、それでビジネスが加速できるのでしょうか?

答えは、NOです

長きに渡る出版不況で、無名の新人著者がただ本を出版しただけでは、なかなか本は売れません。
本が売れないということは、読者が読むことはないということでもありますので、当然ながらビジネスが加速することもよほど運が良くない限り、ありえないでしょう。

なので、出版をすること自体を目的にはしないでください。

出版をすること自体を目的にしてしまうと、本が出たことに満足してしまい、販促活動などに注力することもなく、結果的にビジネスも加速せずに終わっていまいます。

本来の出版の目的に立ち戻り、出版の目的が達成できるような企画で出版をし、出版した本をより多くの人に読んでいただき、結果として目的を達成できるように尽力しましょう。

売れる企画ではなく、売る企画

ということは、出版の目的が達成できるような企画で出版をしなければなりません。

残念ながら、意外と多くの著者さんが、出版社に出版企画書を売り込むと、プロフィール欄を見られて、もっと売れそうな企画を提案され、その企画に乗っかってしまうということがあります。
出版社の言うことを受け入れれば出版はできますが、自分の書きたいことは書けないことになります。

しかし、思い出してください。

あなたの目的は、あくまでも出版することではなく、出版の目的が達成できるような企画で出版をすることです。
当然、出版社から提案された企画は売れる場合もありますが、そこから本来の目的につながるような効果はありません。

ただ、出版社の気持ちになってみれば当たり前です。

出版に関するコストを出版社が負担する以上、出版社としてはあなたの目的よりも、より売れそうな企画で出版してもらいたいと思いますからね。
それは、あなたがいくら「こっちの企画の方が売れます!」と言ったところで、何の確証も、後ろ盾もない以上、出版社の編集者の感覚的に売れそうな企画が優先されてしまう訳です。

では、どうすればいいのかといえば、売れそうな企画を考えるのではなく、売る企画を考えるのです。
多くの人が出版できない理由のひとつに、「こっちの企画の方が売れます!」と言うわりに、売れなかった時の責任は取らないという無責任さがあります。
もし、本当に売れると思っているのであれば、「売れなかったら、私が買い取ります!」と言えるぐらいの気概がないと、お金を出す出版社も不安になるのは当たり前です。

だったら、自分が売りたくなる企画を考えましょう。
自分が売りたくなる企画というのはなにかといえば、端的に言えば自分のビジネスが加速する企画です。

売れば売るほどビジネスが加速するのであれば、どんどん本を売りたくなりますよね。
もっといえば、そういう企画であれば、「売れなかったら、私が買い取ります!」と言えるのではないでしょうか?

ただ、あまりにあからさまな販促本だと、読者にも嫌われますので、注意してくださいね。
あくまでも目指すのは、信頼を獲得する企画ですよ。

出すべき企画が決まったら、どんな手順で出版を実現していけばいいのかについて紹介していきます。